賃貸契約を締結する際には、不動産屋が契約書の特約事項を説明する義務がありますが、大半の場合簡単に触れるだけだったり、説明もしないで読んでおいてください、などと借主がちゃんと理解しない状態で契約書を締結するケースが多くあります。
しかし、退去の際のトラブルの原因となり、敷金返還額が大幅に減額されることにも繋がるので、「特約事項」はよくよく確認しておく必要があります。
よくあるケースは、抽象的に「通常損耗や経年変化の修理費用は、入居者の負担とする。」と記載しただけのパターンですが、この記載の仕方では、特約の効力はなく、借主に、経年変化や通常損耗によって汚れたり壊れたりした部分の修理費用を負担させることはできません。
裁判所は、退去する際にこうした特約が有効である場合として、賃貸借契約締結の際に、借主が退去時に負担すべき金額が明示されていて、借主は、その金額を認識したうえで契約を締結したことを挙げています。そうでないとこの特約は無効だとしているのです。
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